Monday, June 29, 2009

交代のきっかけ

 サパテーロってのは、スペイン社会労働党(Partido Socialista Obrero Español、略称:PSOE)の書記長で、政権交代を果たし、首相の座に着いて、二期目になる。誕生日は、1960年8月4日。バラク・オバマと同じで、ちょうど1歳年上というのは面白い符合である。アメリカとの外交が順調ではなかった政権に有利に働くかも。
 政権交代のきっかけは、2004年3月11日木曜日の朝のマドリッドでのテロだった。当時国民党(Partido Popular、略称:PP)のアスナール首相は親米政策をとり、市民の反対の声を押し切ってイラク派兵をしていた。そのタイミングでテロがあり、3日後の選挙への影響を考えたのか、バスク地方の分離独立を目指す民族組織ETA(バスク語で「バスク祖国と自由」を意味する言葉 Euskadi Ta Askatasuna の略)の犯行と決めつけ、発表した。その後アルカイダ系のテログループが犯行声明を発表し、国民党政権にとって派兵に対する報復、虚偽の発表という二重の意味での逆風となり、政権交代に至るわけである。
 La Oreja de Van Goghというのは、バスク人で構成されたバンド。バンドの顔とも言えるボーカルのアマイア・モンテーロが2007年11月ソロ活動転身のため脱退。パウリーナ・ルビオをボーカルとして迎えるという噂も流れたが、翌年3月レイレ・マルティネスを新ボーカルとして発表した。その時の曲が、先のテロをテーマにした"jueves(木曜日)"という曲である。淡い恋心が、突然、暗転するという沢田知可子の「会いたい」に通ずる楽曲をしっとりと歌い上げて好評をもって迎えられたのである。歌詞の中で、スペインの国民的詩人グスターボ・アドルフォ・ベッケル(1836~1870)のツバメを引き合いに出して悲劇を予兆させるところなどは、日本やアメリカのポップスではあまりないことなので、ラテン人の自分たちの文化を尊重する姿勢には感服する。

もし私が可愛くて、もう少し賢かったら
もし私が目立って、雑誌に載るような娘だったら
車両を横切って、訊く勇気があったかもしれない。
「あなたってどんな人?」って。

あなたは私の向かいに座る
想像もしないでしょう
あなたのために お気に入りのスカートをはいてるってこと
窓に向かってあくびしてるあなたを見ると
悲しくて目が潤んでしまう。

(リフレイン)
突然、あなたは私を見る そして私はあなたを見る
ため息をつくあなた
私は目を閉じ、あなたは目をそらす
私はどうにか呼吸をして、小さくなって
震え始めちゃうの

こうやって毎日、月曜日から金曜日
ベッケルの詩のツバメのように
駅から駅へ ふたり向かい合わせ
行きかう静けさの中で

(リフレイン)

やっと時がやってきた 私の唇が目を覚まし
口ごもりながら あなたの名前を呼ぶ
キモい女の子だって思われたかもしれない
死にたくなっちゃう。

時は止まって、あなたは近づきながら言う
「君のこと、まだ知らないけど、会えないと寂しく感じてた。
毎朝、快速列車をやめて、
この電車を選んでた」

もうすぐ到着
私の人生は変わった
この特別な3月11日
あなたは私の手をとる
列車はトンネルにさしかかり
明かりは消える

つないでた手をたよりにあなたの顔をまさぐった。
勇気をふるって、あなたにキスをする
あなたは「愛してる」と言い、 
私は心からの最後の吐息で返すのよ。
日本人は、もし東京でテロがあったら、次の選挙でどんな選択をするのだろう?


"Jacko's daily cocktail"から推測するマイケル・ジャクソンの死因

 今朝の「特ダネ」でマイケルジャクソンの処方箋が公開されていた。商品名は、日本とアメリカでは異なるので日本での商品名を調べて列記してみたのが、下のリストである。
  1. Demerol:日本では、麻酔薬、検査の前処置薬としてオピスタン注射液など注射で用いられる。ドラマ"ER"の中でもよく出てきますね。オピオイド受容体アゴニストの1つ。
  2. Dilaudid:ヒドロモルフォン。麻薬。
  3. Vicodin:ヒドロコドンとアセトアミノフェンを含む鎮痛剤。ヒドロコドンは麻薬。
  4. Xanax:ソラナックス、コンスタン。ベンゾジアゼピン系のマイナートランキライザー。
  5. Vistaril:アタラックス-P。ピペラジン系の第一世代抗ヒスタミン薬。
  6. Soma:日本では、未発売。中枢性筋弛緩薬で、オピオイドの作用を増強する。
  7. Zoloft:ジェイゾロフト。選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、抗鬱薬。
  8. Paxil:パキシル。選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、抗鬱薬。
  9. Prilosec:オメプラール。プロトンポンプ阻害薬(PPI)に属する胃酸抑制薬の1つ。
 患者さんを引き継ぐときなど病態の把握には、長々とした経過記録より処方箋1枚のほうが、処方した医師の思考を物語るものである。
 専任医師は循環器が専門だが、血圧の薬を含む循環作動薬はまったく処方されていない。ということは、虚血性心疾患や不整脈などの突然死のリスクはなかったことになる。主治医の推定されるキャリアを考えると、麻薬に関しては、緩和ケアにおける疼痛管理などの経験は無く、前処置ぐらいでの使用経験しか持たなかったのではあるまいか。にも関わらず、複数の麻薬が処方されている。しかも、アセトアミノフェン以外のNSAID、通常の鎮痛薬が処方されておらず、鎮痛以外の目的で使用されていた疑念がある。抗鬱薬も処方されており、気分の変調をコントロールする目的で使用されたのだろう。適応症から削除されたが、リタリンが、かつてうつ病で使われていたのと同じ理屈である。
 Demerolに関しては、1997年発表のアルバム"Blood On The Dance Floor/HIStory In The Mix"の"Morphine"という曲で歌われているので、この頃以前からの常用薬だったのだろう…
 推測を重ねると、Demerolの静注で呼吸停止を来したというのが、尤もありそうな話です。リカバリーできなかったという点では、アンビューバッグとか麻薬拮抗薬ナロキソンとか常備してなかったとすると、日本であれば、責任を免れない状況だなぁ。
 ただ、医師としては、患者の要求に答えて、例えば明らかに風邪の患者さんに抗生剤を処方するなど医学的には正しくない処方をすることはよくあることで、本人が麻薬を強請ったとのだとすると、処方したこと自体には同情の余地はある。でも、最悪の事態を予想して準備しておかなかったことは、プロとして恥ずべきだろう。

 今日の教訓
6P: Proper prior preparedness prevents poor performance.

Sunday, June 28, 2009

生きる意味

 例えば、未だそういう機会はないが、我が子に生きる意味を問われたらどうしようと考えてみる。きっと、生きる意味などはない、自分を越えた存在に生かされているのだと答えるだろう。"Human nature abhors insignificance"(人間の性は意味のないことを嫌う)が、自然は人間がいなくとも成立するし、そこには意味がない。言葉を持つ人間だけが、無意味な世界に意味を探してしまうんだ、と。でも子供がそんな話を理解するのは、いくつになったときなのだろうか?
 自分を思い返すと、中学生の終わりか高校生の初め頃、「神様は死んだ」と言うことをニーチェを知らずに再発見して、彼のことを知り、ニヒリズムに傾倒した思い出がある。しかし、背負うものがないときのニヒリズムとしがらみにがんじがらめになってからのニヒリズムは意味合いが違う。自暴自棄と諦念の違いとでも言おうか…
 おそらく、これからもその意味合いは変化していくだろうし、最終的に自分の死に直面したとき、自分が自分の人生を振り返ってどう考えるかが、最終的な結論で、考えても無駄だと考えるか、考え続けるか、二つの戦略があるってことは、伝えておきたいような気がしている。

Tuesday, June 23, 2009

巨悪とは?

 函館からの帰りは、普段読みもしない道民雑誌「クォリティ」を手にした。そのなかの記事に「北海道警察の冷たい夏」で有名な曽我部司さんの連載記事があった。北海道で問題になっている聴覚障害偽装事件と「じん肺問題」を絡めて、フロント企業の関与を予想するという、現場の近くにいたものとしては荒唐無稽な記事であった。聴覚障害は、患者さんの自覚症状をもってなされる。一方、じん肺は、「じん肺法」という法律があり、医師の利益相反(Conflict of Interest)を避けるためじん肺審査会があり、今で言うガイドラインの走りか、「じん肺診査ハンドブック」なるものがあり、医師がよっぽどの悪意をもってデータを捏造しない限り、虚偽の診断書は作成されないシステムになっている。罪があるとすれば、そのシステム自体をいろいろフィードバックがあったにもかかわらず、変えようとしなかった国会、担当行政の不作為の罪である。変わらないということは、変わることなのだ。時代が変われば、当然、医学的な知見も変われば、世間がじん肺患者に向ける視線も変わる、そして何より患者自身が変わる。そのなかでシステムだけが変わらない。相対的にみると、システムだけが時代に取り残されてしまっている、つまり変わってしまっているのだ。そんなことで発生する問題を疑惑とかして、「フロント企業」のせいだとか、「ユダヤ人」のせいだとか言われても、現場の人間からすれば、失礼とは思いつつも、荒唐無稽と書かざるを得なかった。だからと言って、官僚やジャーナリズムの怠慢だとか声を荒げるつもりは毛頭ない。それ以上の巨悪が存在するかもしれないし、存在しないとしたら、東京一ヶ所でこの国を統治するのが無理だっていうことの証左なのである。
 札幌に着いて、東国原知事の発言を知った。知事が自民党から出馬することがあれば、選挙権を持って初めて、自民党に投票することになるかもしれない。

 私が巨悪と書いて頭に思い描いたのは、下記の本のこと。まぁ、これもブッシュ(息子)がやったことに比べればかわいいのだけれどね。


 

Wednesday, June 10, 2009

数理と独立、「不透明な時代を見抜く統計思考力」

 月に数回函館でも働くことになり、JRでの移動時間のお供は、iPod shuffleと文庫本。今回は、朝の占いで「自叙伝」が吉ということだったので、記者に乗り込む前に「福翁自伝」を買った。「緒方の塾風」の「裸体の奇談失策」のくだりでは、草彅剛氏の一件を思いだし、何か息苦しい世の中になってきたもんだと感じ入った。

 閑話休題。福沢さんは、自伝の中でも「数理と独立」を強調しておられ、これは当時まだ学問自体が発展途上で、日本語の訳語が定まってもいなかった統計学のことを指していたのではあるまいか。生データをきちんと分析して、マスコミやお上に騙されるなってことを言いたかったんではないか。そう思って、帰りの汽車には、キオスクで求めた小飼弾氏激賛の下記の本を持ち込んだ。



 「嘘には三つある。嘘、真っ赤な嘘、そして統計だ(There are three kinds of lies: lies, damned lies, and statistics.)」って言ったのは、マーク・トウェインだったか。そんな嘘を見破るためのコツが満載。汽車の中で斜め読みしただけだが、ぜひRなどの統計ソフトを使いながらデータ分析をなぞりながら再読したい。

 蛇足ながら、福沢諭吉先生は、漢学を無用の長物と一蹴しておられるが、漢語は歴史的に東アジアのラテン語であり、何も四書五経を暗唱するほどではなくとも、自国の文学や法律を嗜む程度の漢学は常識として必須でしょう。あと、マニアックかもしれんが、タッチタイプと統計思考力、これら3点セットは、現代の読み書きそろばんと言ってもいいでしょう。

Monday, June 8, 2009

キューバ共和国憲法第50条と日本国憲法第25条と…

 "Gapminder"でキューバの平均寿命の推移をみてみると、アメリカの10~20分の1の経済水準で同等の成果をあげていることが一目瞭然。

これも憲法をお飾りとしてではなく、国のビジョンとして着実に諸政策を実行してきた歴史の賜物なんでしょうね…
第50条ーすべての国民は以下の手段を通じ健康を管理し、まもる権利を有する。
・僻地医療サービス、ポリクリニコ、病院、予防センター、専門治療のネットワークを介した医療サービスと無料医療によって。
・無料歯科サービスによって
・衛生の普及、健康教育、定期的検診、一般ワクチンおよび他の疾患予防手段の分野の開発によって。これらの分野、活動において官民の組織を通じ全住民が協力する。
 翻って、日本国憲法とその日本の歴史のギャップをみると、言行不一致という個人から国政に至るまで蔓延する病がいかに重いか、思い知らされます。

Wednesday, June 3, 2009

都道府県コード

 各都道府県に概ね北から南へ、01から47までの数字が割り振られている。このコードは、ISOの地域コードISO 3166-2にもそのまま使われている (ISO 3166-2:JP)。
01:北海道 02:青森県 03:岩手県 04:宮城県 05:秋田県 06:山形県 07:福島県
08:茨城県 09:栃木県 10:群馬県 11:埼玉県 12:千葉県 13:東京都 14:神奈川県
15:新潟県 16:富山県 17:石川県 18:福井県 19:山梨県 20:長野県 21:岐阜県 22:静岡県 23:愛知県
24:三重県 25:滋賀県 26:京都府 27:大阪府 28:兵庫県 29:奈良県 30:和歌山県
31:鳥取県 32:島根県 33:岡山県 34:広島県 35:山口県 36:徳島県 37:香川県 38:愛媛県 39:高知県
40:福岡県 41:佐賀県 42:長崎県 43:熊本県 44:大分県 45:宮崎県 46:鹿児島県 47:沖縄県