Tuesday, December 21, 2010

ポッドキャストのヒアリング

NEJMのポッドキャストのヒアリングを数ヶ月続けて、以前より音が聞き取れるようになってきたことは実感できるが、まだ内容を聞き取れるには至らない。おそらく、リーディング自体が音速を切れてないのが原因なのだろう。そこでスクリプトがあるポッドキャストを物色してみました。条件は、
  • スクリプトがあること
  • 集中力が途切れないように、そんなに長い物でないこと
  • 関心があり役に立つ内容であること
ありました、ありました!

CDCで発行している"Emerging Infectious Diseases"のポッドキャストです。長さは5分前後で、個人的に関心のある感染症ものです。リンクは、下記の通り。
給湯器の故障や雪のふり初めで途絶えていたランニングの再開のお供(音も)変わります。

Monday, December 13, 2010

Dropboxに仮住まいのマイ・ホーム

 名刺代わりの自分のリンク集程度のホームページならオンラインストレージサービス"Dropbox"のPublicフォルダに作るのが手軽ですよという話。
 ここで改良していって営業に使えるということになれば、その時点でレンタルサーバー借りるなり、サーバー組むなり考えればいいんじゃないかな?とりあえず、業績集は、CiNiiのリンクでお茶を濁し、コンテンツもdeliciousのBlogging toolを緩用するという手抜きホームページを作ってみた。
 手抜きでも、自分の頻用するページのリンクがオンラインにあって、deliciousのタグの利用状況や最近のポストが一覧できると、自分なりのreflectionになって、気には入っている。

 そして、これを改良するのに、HTMLやCSSの復習をしたり、Google Chromeの機能拡張Chrome Editorで利用できるZen Codingを知るきっかけになったということが、最大の収穫。今後は、そのノウハウを活かして、S5などを利用してブラウザを使ったPresentation Zenを齧って行く予定。

Thursday, November 18, 2010

【書評】すごい言葉―実践的名句323選 (文春新書)

 無名の名言を集め、その英語とともに著者の気の利いたコメントを加えた構成になっている。昔、受験生の頃、駿台の基本英文700選を覚えたが、その後の人生に役に立っているとは言えない。この本はその半分に満たない323の英語の名言で人生の何たるかの道標になってくれるコストパフォーマンスの高い一冊。その一部を紹介すると、
  1. 【人生】Life is a sexually transmitted disease. - R.D.Laing
  2. 【政治】Politics is the art of possible. - Otto von Bismarck
  3. 【-ist】Specialists are people who always repeat the same mistakes. - Walter Gropius
  4. 【知識】The larger the island of knowledge, the larger the shoreline of wonder. - Ralph W. Sockman
  5. 【常識】Common sense is the collection of prejudices acquired by age eighteen. - Albert Einstein
  6. 【お金】There are more important things than money - the only trouble is they all cost money. - Louis A. Safian
  7. 【結婚】When a girl marries she exchanges the attenuations of many men for the inattenuation of one. - Helen Rowland
  8. 【分類】I only like two kinds of men: domestic and foreign. - Mae West
  9. 【法則】The higher a monkey climbs, the more you can see of his ass. - Joseph Warren Stilwell
  10. 【ジョーク】I can't believe that out of 100,000 sperm, you were the quickest. - Steven Pearl
図らずも、STDで始まり精子で終わる結果となってしまいましたが…

Wednesday, November 17, 2010

Rでローソク足を描く

ubuntu環境になってしばらく、Wine上で"AlphaChart"を利用していたが、最近トレードから遠ざかっていて、環境の更新がおざなりになっていた。お小遣い稼ぎに、そろそろ再開しようと思っていた矢先、統計解析環境Rに、"RFinanceYJ"というYahoo! ファイナンスから株価を取得するパッケージや"quantmod"というチャートを描くパッケージがあるという情報を得て試してみた。ubuntu環境では、事前に端末かSynapticからlibxml2-devをインストールしておく必要がある。その上でRを起動し、
install.packages("RFinanceYJ")
install.packages("quantmod")
library(RFinanceYJ)
library(quantmod)
library(xts)
sony <- quoteStockTsData('6758.t', '2010-01-01')
names(sony)<-c("Date","Open","High","Low","Close","Volume")
sony<-read.zoo(sony,tz="")
candleChart(sony)
と打ち込んで作ったのが下のチャート。

ボリンジャーバンドを描くには、
addBBands(n = 20, sd = 2, ma = "SMA", draw = 'bands', on = -1)
とかすれば、良く、
週足、月足を描くには、
week_sony<-to.weekly(sony)
candleChart(week_sony)
month_sony<-to.monthly(sony)
candleChart(month_sony)
でOK。quantmod、ちょし甲斐がありそう。一目均衡表はないようだが、ここを参考にもう少し使ってみることにしよう。

Tuesday, November 16, 2010

医療における頻度を表す言葉と確率の接点

 ずっと気にかけていたことがある。"To cure sometimes, to relieve often, to comfort always."という医療界ではちょっと有名な箴言のことだ。occasionally、often、alwaysというのは、具体的にどのくらいの頻度を意味しているのだろうってこと。英辞郎を引くと、occasionallyは40%くらいの頻度で、oftenは60%くらいの頻度って書いてあるが、それって本当なのかなってこと。
 文献の渉猟をしてたら、実際にそれを調査した人がいて、occasionally、often、alwaysの順で、Toogood氏は、51名を対象に21±11%、59±16%、100±0%[1]、Robert氏は24名を対象に20±15%、61±13%、99±2%[2]という結果を報告している。英辞郎のoccasionallyは、ちょっと高く見積もりすぎてるみたいで、ネイティヴの感覚では、それぞれ20%、60%、99%ってところなんでしょう。でも、数字的には、33.3%、66.6%、99.9%が綺麗で、かつ「三人に一人は治し、三人に二人は症状を軽くし、三人ともに元気づけてあげましょう。」と数値目標を伴った箴言となってきます。
 蛇足ながら、この言葉、16世紀に床屋医者の身分から宮廷医にまで登りつめたフランス人医師Ambroise Paréの言葉として引かれることが多いのだが、実のところ、彼の著作にはそのような言葉はなく、1909年にWitkowskiとCabanesがパリで出版した「エスクレピウスの逸楽集」という本の中の「医師に関する諺と決まり文句」の章での引用に対する注釈として書かれたそうだ。[3]まぁ、誰の言葉だとしても、治療の限界と慰めの重要性は肝に銘じておかねばなるまい。

文献
[1] Toogood JH. What do we mean by "usually"? Lancet. 1980 May 17;1(8177):1094.
[2] Robert MK. Between Never and Always. N Engl J Med 1981; 305:1097-1098 October 29, 1981
[3] Payne LM. "Guérir quelquefois, soulager souvent, consoler toujours". BMJ . 1967, 4, 47-48

Monday, November 15, 2010

ubuntu 10.10でHT-03AにHyperJを導入

 HT-03Aの遅さに我慢ならず、スマートフォンの買い替えを目論んでいたが、@medtoolz氏のブログの記事"HT-03Aの備忘録"を読んで、カスタムROMのインストールという手があることを知った。それほどAndroid自体に詳しくもない上に、氏と環境も違うので首尾よく行くか不安で躊躇していた。ちょうどそんな時、Linux 100% Vol.15の第二特集の「ハイレベルAndroid活用術」という記事にカスタムROM導入の手順があり、背中を押してくれた。ダメもとで、というより、壊れてくれたほうが、買い替えの口実になると自分に言い聞かせて、バックアップもせずに冒険してみた。データはGoogleが保管してくれているので、それがセーフティネット。

I. ubuntu側の準備
● OpenJDK:ソフトウェアセンターでインストール可能。
● Android SDKandroid developersからダウンロードし
て、適当な場所に解凍して、パスを通す。:端末で、sudo gedit ~/.bashrc、末尾に下記の一文を追加。
export PATH=${PATH}:/home/name/android-sdk-linux_x86/tools
● パッケージのアップデート:端末から"android"でSDKが起動。"Installed Packages"→"Upadate All..."をクリック。
● アップデートのインストール:パッケージの一覧が表示されたら、"Install"をクリック。
● USB接続の設定:"sudo gedit /etc/udev/rules.d/51-android.rules"でエディタを立ち上げ、下の呪文をコピペ。
SUBSYSTEM=="usb",SYFS{idVendor}=="0bb4",MODE="0666"
保存したら、"chmod a+r /etc/udev/rules.d/51-android.rules"で権限の変更。
● 材料・道具の収集:下の3つが三種の神器。
  1. カスタムROM:Android Custom Cookbook、カスタムRom/HyperJのページのリンクからゲット。
  2. flash_imageコマンド:android 1.5にあって1.6になくなっているflash_imageをここからゲット。
  3. リカバリユーティリティ:xdadevelopersのRA-sapphireのページのリンクからゲット。HT-03Aでは、必ず末尾Gのものを利用することに注意!だそうです。
II. HT-03A側の準備
● root化:Androidマーケットから"z4root"をインストールし、root化。
● 基本的コマンドのインストール:Androidマーケットから"BusyBox"をインストール

III. いよいよ、メーンイベント
● HT-03Aをマウントし、USBデバッグ接続、さっき集めた3つをSDカードの直下(/sdcard)にコピーする。
● リカバリーイメージの変更:端末から下記の呪文を打ち込む。プロンプトの変化に注意。
name@desktop:~$ adb shell
$ su
# mount -o remount,rw /dev/block/mtdblock3 /system
# cp /sdcard/flash_image /system/bin/flash_image
# chmod 755 /system/bin/flash_image
# flash_image recovery /sdcard/recovery-RA-sapphire-v1.7.0G.img
# reboot recovery
 あとは、リカバリーモードからインストールするだけ。インストールも成功、はやる気持ちを抑えて、再起動!しかし、スプラッシュスクリーンの後は、延々と黒い画面_ノ乙(、ン、)_ 。覚悟はしていたが、いざ現実にその時が来ると、頭は画面とは反対に真っ白。10分ほどで冷静さを取り戻し、電池を外しては、リブートして項目の上から順番にwipeすることを繰り返し、やっとHyperJの起動に成功!どうやら、リカバリーイメージの変更の前に、出荷状態に戻しておくべきだったようだ。

IV.宴のあと
 あとは、お気に入りのアプリをAndroidマーケットから再インストール。使っているアプリが少ないからこんなことが可能だが、本当なら"Titanium Backup"とかでバックアップを作っておいたほうが楽なんだろうね。最後に、モバイルGoogleマップを更新しようとしたら、「インストールできません」の通知。ググッたら、端末から下記のコマンドを打つことで、インストール出来るようになるとのこと。
name@desktop:~$ adb shell
# mount -o remount,rw /system
# find /system /data -name *google*maps.apk* -o -name Maps.apk -delete
# pm uninstall com.google.android.apps.maps
# rm /data/dalvik-cache/system@app@Maps.apk@classes.dex
# /system/bin/appfix
# reboot
これで、やっと一段落。折角、SDKも入ったので、tools内のddmsを起動して、Device→Screen capture...で記念写真を一枚。


Monday, November 1, 2010

Android携帯に入れたい10のアプリ


 クリスマスも近い。MacBook AirかGalaxy Sを購入しようと考えているが、前者はなくても困らないが、最近、使用中の初代Google携帯が重いので電話の買い替えになりそうだ。その時にインストールしようと考えているアプリを防備録を兼ねて紹介する。
  1. Graffiti for Android:以前PDAとしてPalmを使っていたので、入力はこれが楽。
  2. Ubuntu One Music:Ubuntu One上の音楽をストリーミングしてくれるクラウド・プレーヤ。
  3. Listen:Google謹製のポッドキャスト・アグリゲータ。Google Readerに"Listen Subscriptions"というフォルダを作っておけば同期してくれる。
  4. NewsRob:Google Readerと同期するニュースリーダ。
  5. Twicca:Twitterクライエント。Twitter謹製のアプリは、>2.1以上にしか対応していない。
  6. ジョルテ:Google Calendarに同期してくれるカレンダーアプリ。GmailのTasksも同期してくれる。これを使ってから手帳が不要になった。
  7. gobandroid+gobandroid ai gnugo+gobandroid skin:囲碁ソフト。かなり強い。
  8. 縦書きビューワ+青空プロバイダ:青空文庫の登録作品が縦書きで読める。
  9. Gutenberger:電子図書館の老舗Project Gutenberg登録作品のリーダ。
  10. Dolphin Browser:ブラウザ。デフォルトのものより速く、使い勝手も良い。

Saturday, October 16, 2010

ubuntu 10.10に最初にインストールした10のソフト

Ubuntuソフトウェアセンターの改良でソフトの検索、インストールが非常に楽になりました。
  1. Chromium: Google製のブラウザ、Google Chromeのオープンソース版。複数の場所や環境でPCを使う場合、ブックマーク、拡張機能、テーマ、設定を同期してくれるというのは、非常にありがたい。完全に私のデフォルトブラウザになっています。
  2. mozc: Google日本語入力。
  3. Rcmdr: 統計環境RのGUI。ソフトウェアセンターでインストールすると、R本体も自動的に入れてくれる。
  4. Gedit plugin for R statistical computing language: 標準エディターであるGeditでのRの利用を便利にしてくれるプラグイン。
  5. Quarry + GnuGo: 大局観を養ってくれる囲碁のゲームソフト。エンジンのGnuGoはコンピュータ囲碁大会で上位を争うらしい。
  6. TexWorks: そんなに使う分けではないが、「LaTeX2e美文書作成入門」で紹介されていたので…
  7. gPodder Podcast Client: ポッドキャストアグリゲータ。医学雑誌のポッドキャスト購読に使う。
  8. Ubuntu Tweak: UbuntuのシステムやGNOMEデスクトップの設定を容易に行えるソフトウェアで、GPLの下で公開されている。ディストリビューションやカーネル、CPU、メモリなどの基本的なシステム情報の表示、GNOMEセッションのコントロール、GNOMEパネル設定、スプラッシュスクリーン設定、人気アプリケーションのインストール、Nautilus設定、電源管理などの機能を持つ。
  9. Dropbox: オンラインストーレジサービス。ローカルにもファイルを保存し、クラウドと同期してくれる点が便利。Ubuntu Oneもあるが、MacでもWinでも使えるのが、Dropboxの強み。上のUbuntu Tweak同様、ソフトウェアセンターからのインストールはできないが、debファイルをダウンロードして開くと、ソフトウェアセンターが起動するので、インストールは難しくない。
  10. Mendeley: 文献管理ソフト。debファイルが用意されてないので、インストールがちょっと面倒。
 Mendeleyのインストールの手順を書いておくと、アプリケーション→アクセサリー→端末を開き、次のコマンドをコピー&ペーストする。
echo "deb http://www.mendeley.com/repositories/xUbuntu_10.10 /" | sudo tee /etc/apt/sources.list
sudo apt-get update
sudo apt-get install mendeleydesktop
 インストールが首尾よく行ったら、端末で次のコマンドを打つと、GUIのセットアップ画面が起動するので指示どおりに。
mendeleydesktop
 ubuntuを使い始めたのは、忘れもしないXPが壊れた2007年2月6日からだが、その3年半で環境は隔世の感がある。

Thursday, October 7, 2010

【書評】走ることについて語るときに僕の語ること

 クーリエ11号をその特集ゆえに購入した。以前取り上げた梅田望夫氏の「ウェブで学ぶ―オープンエデュケーションと知の革命」に通ずる特集だったからだ。特集記事へとページを繰る途中、村上春樹のインタビュー記事に目が止まった。「毎日3箱タバコを吸うジャズバーのオーナーだった彼が…」というフレーズである。彼の作品は「ノルウェーの森」も「アンダーグラウンド」も挫折し、相性があわないと諦めていた。そんなわけで、あまり彼に関する知識もなかったのだが、ちょうど値上がりした煙草を止めるべきか、それともゴールデンバットをキセルで吸うという姑息な習慣の変更に留めるべきか迷っていたからなのだろう。彼はどのようにして煙草を止めたのだろうーそれを知りたくて、三度目の正直に挑んだ。やはり、どことは言えないが、彼の文体とはそりが合わない様だ。通常の本なら、三時間程度で読める量のページに三日もかかってしまった。
 本書は彼が習慣としているランニングに関するメモワールで、決してランニングの勧めの類のものではない。淡々と自分のレースについて、準備やランニング中の心境を描いている。間奏曲には小説を書くことや生きることとランニングの関連性の私見を述べている。そう、読者を置いてきぼりにして勝手に走っているって印象を受ける。それを寓意するのが表紙で、きっと著者であろう男の走る後ろ姿である。決して、勧められているわけでもないのに、私も本書を読み終えた日から禁煙そっちのけで、表紙の写真の後ろ姿を追い、走り始めてしまった。そんな一冊である。
 ランニングに興味のない方でも、多分、そんな読み方は著者は嫌うだろうが、行動変容や何事かを成し遂げるためのコツ、今で言う、ライフハックに溢れた一冊でもある。
 ちょうど、何の因果か、この記事を書いた数時間前にノーベル文学賞の発表があった。氏の受賞も噂されていたが、同賞の受賞を噂されながらも長らくとれなかったマリオ バルガス=リョサ氏に譲った形になったようだ。

Wednesday, September 29, 2010

【書評】日本人のための戦略的思考入門

 岩上安身氏の「孫崎享氏のインタビュー」によって本書を知った。このインタビューを通じて、日米安保条約自体が欺瞞に満ちていて、あくまでもアメリカの利益に即した不平等条約であることを知った。本書でも、その事実を丁寧に解説している。その重複部分以外の、前半部戦略に関する総論が非常に有用。戦略論の歴史に触れ、参考図書の紹介をしてくれている。 相互確証破壊 (mutual assured destruction)などは「狂った」システムくらいにしか考えていなかったが、必然的に到達し確実な核戦争予防策であり、それゆえに「核の傘」は幻想であることが理解できた。また、繰り返し述べられている歴史、将来のビジョン、大局観の重要性は、医師が日々行うケーススタディや予後予測、総合的な判断と共通するものがあり頷ける部分が多い。
 冒頭の部分で「囲碁十訣」を引き、古今東西の著名な戦略家に囲碁のファンが多いことの記載がある。著者は日本人が戦略的思考に欠けることを指摘しているが、同時に囲碁の普及で戦略的思考を鍛えることができる可能性があることを指摘しなかったのが不思議でならない。個々人の能力よりも、むしろマスコミ報道や意思決定機関での横並びの同調主義が日本の戦略行動の妨げになっているのではあるまいか。

Friday, September 24, 2010

Shakira、新アルバム11月リリース

 BillboardのLatin Songsのチャートを眺めていたら、Julio Iglesiasの次男、Enrique Iglesiasの曲が10位以内に2曲入っている。堂々トップの"Cuando Me Enamoro"は、ドミニカのシングーソングライターで"Bachata en Fukuoka"という福岡での公演での想い出を曲にした作品もあるJuan Luis Guerraと共演している。8位の"I like It"はスペイン語版"We are the world for Haiti"("Somos El Mundo Por Haiti")の後半レゲトン部分の導入を務めたPitbullとの共演作品。曲名は、Facebook人気に乗じたのかな?

 25位にレンジを広げると、シャキーラの曲が2曲ランクインしている。22位に新曲"Loca"で、前回31位からの急上昇、ドミニカのラッパーEl Cataとの共演でラテンの世界に回帰している。23位にはワールドカップ公式ソングの"Waka Waka"、16週にわたりランクインしているが、主催国南アフリカのバンド、Freshlygroundと共演したアフリカ色の濃いものだった。Amazon.co.jpでは、11月3日に、これら2曲が収められたアルバムが日本でも発売されるらしい。アルバムのタイトルは、"Sale el Sol"「サレ・エル・ソル」、陽は昇るという意味。

 コロンビア生まれの彼女だが、父親はレバノン系マケドニア人、母親はカタロニア系ということもあり、その音楽性はラテンを超えている。例えば、政府とマスコミによるイラクとの開戦キャンペーン展開中、ジョン・レノンの"Imagine"さえ自粛となる世相の合衆国でアラブ色の濃い"Ojos así"を引っさげて反戦をテーマとしたマングース・ツアーを敢行し、北アメリカでのファンを獲得している。

 アメリカ大陸は言うまでもなく、ヨーロッパ、イスラム諸国、アフリカと進撃し、その音楽性の版図には陽が落ちることはないという感じですね。(En El Imperio de Shakira nunca se pone el sol.)

【書評】そこまで言うか!

 時代の寵児のお三方の対談なので、表紙に写っている尊顔を拝するために手にとってみてもよい。私の場合、書店で手にとって、購入するかどうか、かなり迷った。ちょうど、エロ本を買うか買うまいか逡巡する心境である。堀江氏や勝間氏の本は、なぜか「下品」な感じがしてしまうのだ。しかし、隠れて時々ネットで彼らのブログに眼を通したりはするし、考えは必ずしも自分と相対するものでもない。にもかかわらず、何故かれらの著作に品の無さを感じてしまうのか?その理由を探るべく本書を買ったのでした。

 読後、「下品さ」の源泉は何だろうと問うてみた。まず、「下品さ」とは何かを考えると明確な定義を出すことができない。せいぜい「個人的な感性から眉を顰めたくなるもの」くらいのものだろう。次に、私が何を下品に感じたかであるが、堀江氏などは生活保護でもそれなりに生きていけると発言しているので、必ずしも私の解釈は正しくないのだが、ただ全体として、「お金=幸せ」という雰囲気が、堀江氏と勝間氏の発言の行間には漂って感じられたことである。これは一種の妬みに由来するものだろう。つまり、私が感じる下品さは、彼らに由来するのではなく、自分の無意識に投射された彼らの像に引き起こされるものなのだ。実際、若い頃はエロ本の方が成功本より心理的抵抗が大きかったが、現在では逆転しているような気がする。妬みとか欲望を抑圧するエネルギーとかが、その欲望をあからさまに語る他者に向けられたものが、「下品さ」の由来と思われる。そう、意識上は現在の生活に満足している私も、実証不可能であるが、無意識では、「もっと金が欲しいよ~」と悶えているのかもしれない。

 全体を通して議論というよりは、井戸端会議。本来、ファシリテータとして参加しているはずの堀江氏の暴走する場面が多く、最年少の西村氏がいなす感じでおしゃべりは展開される。はじめは、「デキビジ」のテレビ討論を受けて、最年長の勝間氏をいじる形で話は始まるが、終りになる従い、親や学校、マスコミ、既得権益層に対する抵抗という形で大団円を迎える。デフォルトの人生から外れ、自分で考え、人のやってないことをする、つまり、「逆張り」の人生が、金儲けの要諦ということらしい。しかし、新規事業は、千三つと言われ、0.997^300 = 0.406020062で300回試行錯誤して、1回でも成功する可能性は6割ってのが昔からの経験則の言うところだし、行動経済学の理論でも、単純な逆張りで儲かるのは、あくまでも運が見方した場合に限られるらしいので、勝者の後知恵って感じは否めない。つまり、成功者版グータンヌーボーってところか。

 タイミングよく、「米国科学アカデミー研究紀要(PNAS)」の最新号にプリンストン大学のカーネマン教授の幸福と収入の関係についての論文が掲載されている。著者は、2002年に、行動経済学の研究でノーベル経済学賞を受賞された認知心理学者である。タイトルはずばり、"High income improves evaluation of life but not emotional well-being"(高収入は回顧的評価を改善するが、現在の幸せ感は改善しない)というものだ。45万人もの対象者をインタビューし、「主観的幸福度(subjective well-being)」を2種類の方法で計測している。1つ目は「人生評価(live evaluation)」、人生を回顧した時の満足度、達成感を示す指標と言えよう。2つ目は「感情的幸福度(emotional well-being)」、今心から湧きでてくる快・不快の感情、一般的な幸福感とも言える。その結果であるが、前者が収入の対数とほぼ比例したのに対し、後者は7万5000ドルまでは世帯収入の対数とほぼ比例したものの、そこで頭打ちとなった。付け加えると、「人生評価」は収入の他、学歴と相関、高学歴者ほど人生に対する満足感が大きく、一方、年収よりも強く「感情的充足度」に寄与した因子は、健康、介護者の有無、離婚、独居などであったとのこと。メキシコでは乾杯の挨拶を"¡Salud, Dinero y Amor!...y tiempo para disfrutarlos!"(健康、金、愛、そしてそれらを享受する時間に!)とかするらしいが、それを検証した論文とも言えるでしょう。

Sunday, September 19, 2010

【書評】オールアバウト・ペネロペ・クルス

9月10日金曜ロードショーで「バンテージ・ポイント」を観た。その中に出てきたサラマンカ警察の刑事役の俳優、どこかで見た記憶があり、ググってみた。そう、アレハンドロ・アメナーバル監督の友人であり、「オープン・ユア・アイズ」の主演をしていた役者だ。ペネロペ・クルスが共演している。懐かしく思いAmazonでDVDを探してみたら、なんとこの監督の作品すべてが収められたDVDボックスがあるではないか!早速、購入し、9月17日、妻が選んだ「海を飛ぶ夢」を観た。若くして四肢麻痺になり、30年近く寝たきり生活をして安楽死を選んだ実在の人物を描いた作品。なんと、主演はハビエル・バルデム。ペネロペ・クルスと今年7月結婚した役者だ。これまでアルモドバル監督のお気にぐらいにしか思っていなかった彼女が、こんな経過で身近になり、手に取った。 学生時代によく聴いていたMecanoのPVに出ていたのですね!さらにWikipediaによると、私の好きなコロンビアの歌姫Shakiraのお友達だそうで、一気に気になる女優の地位を占めてしまいました。まさにちょっとした視点が加わることで物事の見え方が変わってしまう「バンテージ・ポイント」ですね。
 そういうわけで、この本を読むことに相成ったのです。経時的にスペイン時代、アメリカ時代、VOLVER(帰郷)とまとめられており、続編というか、出産後の活躍が楽しみになりました。

Friday, September 17, 2010

【書評】ウェブで学ぶ―オープンエデュケーションと知の革命

 近年、スタンフォードでのスティーブ・ジョブズの卒業記念講演、ランディ・パウシュ教授の「最後の講義」、最近ではマイケル・サンデル教授の講義などYouTubeに公開される上質なネタが増えてきていることを感じていた。それをオープンエデュケーションの潮流として提示してくれる一冊。さらに巻末には、本文で触れられたサービスのリソースがまとめられている。ウェブの現状をその経緯を含めて描く筆の巧みさは氏ならではのものである。
 氏は、はじめのほうでローカルウェブとグローバルウェブの分裂を指摘し、後者がアメリカ特有の心性に立脚することを論じている。確かに、世界各国にローカライズされたウェブと世界中で利用されるウェブとがあることは事実だが、後者が特異的なものでカリフォルニアン・スピリットとかいう抽象的なものから発するという意見には同意しかねる。Web2.0の嚆矢とされるdeliciousとか、Flickrはカナダ発のサービスだし、多くのオープンソースプロジェクトはアメリカ外に端を発している。むしろ国境を越えたユニバーサルなプロジェクトでは英語が共通語になることが自然だし、そこへの参画に当たって、言葉の壁がない上に資本や技術の集積のあるシリコンバレーが圧倒的に有利なのは、自明の理のように思う。
 本書で紹介されているOpen Course Wareは、日本語はじめ、スペイン語や中国語によるものにも触れられている。しかし圧倒的に国境を越え拡散し易いのは英語によるものである。各国の音楽事情も本国の音楽と英語圏の音楽が併存しているのと同じことである。音楽の世界では純粋に音楽として楽しんだり、訳詞を読んで楽しんだりということが可能である。しかし、教育の場合、最近では、ソーシャルなサービスを介して字幕や訳がついた動画も得られるようになってきているものの、それは有名どころに限られ、英語を聞く能力の有無で教育機会に差が付く時代になったことを実感する。今後、日本の英語教育は、英語「を」学ぶ時代から英語「で」学ぶ時代になっていかざるを得ないのではないだろうか。さらに論を飛躍させると、コンテンツの発信もアメリカ以外からの英語のものが増えるに従い、EnglishはGlobishとなっていくにちがいない。
 本の内容とは無関係なのだが、動画のコンテンツの収集には、Adobe AIR Contest 2010で優秀賞受賞の"DigiShelf"がOSを選ばず便利かもしれない。

Wednesday, September 8, 2010

Google Chromeの機能拡張"Start!"が便利な件

"Start!"というのは、Chromeのスタートページを代替えする機能拡張です。新規登録ページが2つのパネルで表示されます。左パネルは、登録の新しい順で、右パネルは、ブックマークツールバーの順で表示されます。2つのアクセス方法があることで、目的のページへの到達が格段に容易になります。登録数が多くてもそれぞれスクロールできますし、ブックマークの整理を工夫すれば、さらに使い勝手がよくなりそうです。あと左下にフィードの購読を1件表示できます。複数のフィードを表示させたいときは、GoogleReaderのBrowse for stuffでBundleを作っておくと便利です。厚生労働省が発行する5つのフィードをまとめて表示させてみました。背景を変えられるのもいいです。写真をPicasa Web AlbumやFlickrなどオンラインで管理していれば、好きな写真を表示できます。上は、大内宿の写真です。

Saturday, September 4, 2010

好きな言葉たち

読書やブラウジングで出会った言葉でお気に入りをGoogleDocsに貯め始めた。10個貯まったので記念に。
  1. 病從口入,禍從口出。"太平御覽" 病は口より入り、禍は口より出づ。
  2. Все счастливые семьи похожи друг на друга, каждая несчастливая семья несчастлива по-своему. - Лев Николаевич Толстой "Анна Каренина" 幸福な家庭は皆同じように似ているが、不幸な家庭はそれぞれにその不幸の様を異にしているものだ。
  3. Τὰ παθήματα τοῖς ὰνθρὼποις μαθήματα - Αἴσωπος 災難は人間たちにとって学問である。
  4. Guérir parfois, soulager souvent, consoler toujours. - Ambroise Paré 時に癒し、しばしば和らげ、常に慰む。
  5. Errare humanum est, sed perseverare diabolicum, et ignoscere est divinum. 過つは人の常、過つを続けるは悪魔の業、許すは神の業
  6. Nur ein Idiot glaubt, aus den eigenen Erfahrungen zu lernen. Ich ziehe es vor, aus den Erfahrungen anderer zu lernen, um von vorneherein eigene Fehler zu vermeiden. - Otto von Bismarck 愚者は自分の経験から学んだことを疑わない。私は自らの誤りを避けるために、他人の経験から学ぶことを好む。
  7. Yo soy yo y mi circunstancia, y si no la salvo a ella no me salvo yo. - J. Ortega y Gasset "Meditaciones del Quijote" 私は、私と私の環境である。 そしてもしこの環境を救わないなら、私をも救えない。
  8. 시작이 반이다. 始めたら半分終わりも同じ。
  9. Da ora combatte né per il prossimo e non è qualificato per parlare del futuro. - Roberto Baggio 今を戦えない者に、次や未来を語る資格はない!
  10. Laugh, and the world laughs with you; Weep, and you weep alone. Ella Wheeler Wilcox "Solitude" 笑おう、そうすれば世界が貴方と共に笑う: 泣きなさい、そうすれば貴方は一人だ。

Friday, September 3, 2010

最近のubuntu環境


自宅のパソコンでは、ブラウザを、Chromium Daily Buildにしている。インストールは、下記の呪文。何よりも速いこと、他のパソコンと環境を同期できること、最近ではGmail、Twitter、Google Docs、Google Readerなどのオンラインサービスをアプリ化出きるようになり、Firefoxには戻れない予感。
sudo add-apt-repository ppa:chromium-daily/ppa
sudo apt-get update && sudo apt-get install chromium-browser
日本語入力は、GoogleのMozc。ubuntu次期バージョンでは、リポジトリが追加されるらしい。ポッドキャストは、Audacious+gPodderで聴いているが、ポータビリティを考えるとnewsbeuterのように端末で動くソフトをgnome-scheduleとかで予約して自動的にiPodにダウンロードしてくれるようにしたほうが、ものぐさな私にはいいのかも。主な医学関連ポッドキャストのリストを下に上げておくが、さらには、FreeMedicalPodcastsを参照してください。
  • New England Journal of Medicine http://podcast.nejm.org/nejm_audio_summaries.xml
  • The Lancet http://podcast.thelancet.com/lancet.xml
  • British Medical Journal http://podcasts.bmj.com/bmj/feed/
  • Annals of Internal Medicine http://media.acponline.org/feeds/annals.xml
そして、文献管理はMendeley、統計解析はR、文書作成はTexWorks。それにしても日本語TeX環境の構築もっと楽にならないものか?なんとか、dvipdfmxを日本語を通せるようにしたが、再現する自信はない。もっと基本的なことをしっかりと勉強しなきゃならんのだろうな…その割に、アクセサリーには、zshとか、emacs23ESSYaTeXw3mWanderlustnewstickertwittering-modeとか、通ぶってみたりする。ここ数年スライドによるプレゼンの機会はないが、powerdot+Impressive!なども使えるようにしておきたい。年賀状もTeXで宛名書きが出来れば便利ですね。気晴らしは、Quarry+GnuGoで囲碁…そんな環境を「ライブCDの部屋」のLxubuntu10.10が公開されたら、それをベースに独自CD化しようかと目論んでいる。

職場では空いたパソコンを持ち込んで、休憩時間を使って、ORCAOpenDolphinの電子カルテ試用環境を構築しようと試行錯誤。

Thursday, August 12, 2010

【書評】乙女の密告

第143回芥川賞受賞作品ということで手にとった。そのような肩書きがなければ、タイトルからは決して読むことがなかった一冊で、このような出会いも大切にしたい。ロケーションは、京都の女子大の外国語学部ドイツ語学科。乙女、京都、ドイツ語…妄想をかきたてるキーワードに「密告」というちぐはぐなコロケーション。それは、小説のはじめに強烈な個性のドイツ人教授が出現し、それに負けずと劣らない個性の女子大生たちが紹介されていくことで明らかになる。耳を澄ますと聞こえてくるBGMは、交響曲第7番 イ長調 Op.92 第1楽章だ。そう、芸術と喜劇のハーモニーとも形容できる「のだめカンタービレ」を彷彿とさせる小編である。本作品においての芸術は、日本人にも馴染み深い「アンネの日記」である。オランダ語では、「ヘト・アハテルハイス」("Het Achterhuis"「隠れ家」)という呪文のようなタイトルだそうで、まさしく1944年4月9日分の日記の暗唱大会を巡り、乙女と称する女子大生のアイデンティティの発見と14歳のユダヤ人少女のアイデンティティの放棄がメビウスの輪のようにリンクしていく魔術的作品。文中繰り返される「乙女」の語が「メッチェン」とコンサート中響くくしゃみのようで耳障り。それも意図的な細工だとすれば、そんな細工の宝探しを小一時間楽しむことができる。

Wednesday, July 28, 2010

【書評】つながり─社会的ネットワークの驚くべき力

2007年にNew England Journal of Medicineに「肥満が伝染する」という論文を発表し、2009年、タイム誌の世界でもっとも影響力のある100人にも選出されたNicholas A. Christakisの著作の翻訳。先の論文の肥満ウイルスの正体が、表紙にもなっているソシオグラムだ。疫学的データを元に、人を点でその繋がりを線で可視化したものがソシオグラムである。本書の177−184ページの口絵のソシオグラムに本書のエッセンスが詰まっている。
本文では、ソシオグラムで描き出されたネットワークを通じて伝染するのは、肥満だけではなく、復讐だったり、STDだったり、幸福だったり、政治信念だったり、禁煙だったりするってことを、うんざりするほどに手を変え品を変えて繰り返される。しかし、根本は日本の諺、「類は友を呼ぶ」とか、ドン・キホーテに出てくる諺、"Dime con quien andas, y te dire quien eres."(誰とつるんでるか言ってみろ、どんな人間か当ててやる。)とか、フリーのOSの名称ubuntuの由来となったズールー語の箴言"umuntu ngumuntu ngabantu"(人は他人を通じて人である) とか、スペインの哲学者オルテガ・イ・ガセーの言葉、"Yo soy yo y mi circunstancia."(私とは、私とその環境である。)とか、Ella Wheeler Wilcoxの詩の一節、"Laugh and the world laughs with you"とか、経験的に古今東西で言い伝えられた集合知の焼き直しである。
ネットワーク分析に関するネタの収集ための読み物として有用だが、新しい知見を得るには物足りないと言わざるを得ない。

Friday, July 23, 2010

世界の見方が変わるかもしれない一曲

"We are the world 25 for Haiti" 故マイケルジャクソンの遺志を継いでリメークされた一曲。



英語版と独立してグロリアエステファン夫妻の呼びかけで企画されたスペイン語版。



聞き比べて感じることは、十人十色と思うが、個人的にはスペイン語文化圏の成熟さを聴いた。後半は、大胆にレゲトンが取り入れられていることもあるが、何よりパフォーマーの笑顔が素敵だ。プロとして歌うことを楽しんでいるように見える。アメリカ国内ではヒスパニックとして、国外でも裏庭の国としてCIAやIMFに蹂躙され、生き抜いてきた人たちの音楽である。ちなみに、911と言えば、スペイン語文化圏では、1973年のチリクーデターを指すのでした。

Friday, June 18, 2010

中身も大事


見栄えも大切だけど、中身も大事ってことで、Dockyに下のソフトを登録した。
  • Amarok: iTunesみたいなもの。医学雑誌のポッドキャストも視聴できる。
  • Mendeley: 文献管理ソフト
  • OpenOffice.org: オフィスソフト
  • R: 統計解析ソフト
なぜか、これらのソフトの頭文字が、AMORになってる!

見た目は大事

気分転換にデスクトップを変えてみました。利用したリソースは下記の通り。
  1. Mac4Lin: デスクトップをマック風にする。
  2. Real-time Sunlight Wallpaper: 壁紙をリアルタイムに代わる地球の画像にする。
  3. Conky + conkywizard: システム情報を表示する。
これで明日から少しは仕事が捗るかな?

Friday, June 11, 2010

【書評】病院の世紀の理論

表紙は、湯布院にある国指定重要文化財「旧日野病院」の銅版画による全貌である。まさに、日本の医療を黎明期から現代に至るまで、英国や米国と対照しつつパースペクティブに描いた本書に相応しい図案である。

明治時代からの医師の育成と配置を再現し、「病院の世紀の理論」を提唱している。その理論とは、20世紀の医療は、世界同時的に治療を目的とする病院を頂点としたヒエラルキーであったということである。過去形で述べられていることからも分かる通り、現在は、必ずしも治療だけを目的としない様々なチームが連携して医療を行うフラットなネットワークに移行していく過程であることを指摘している。その理論は、医師数さえも把握せずに医師の偏在を強弁した厚生労働省とは異なり、豊富な図表を元にした、人口歴史学の医療版と言っても差し支えないような精緻な論考を元にしている。

結論は、目から鱗。私自身、「医療崩壊」が医師患者関係のフラット化によってもたらされていると考えていたが、近視眼的であった。医療システム自体がダイナミックな変貌の最中にあるのだ。だから、巷で「医療崩壊」と呼ばれるものは、正確には「医療革命」と言うべきなのだろう。そんな理由からか、「医療崩壊」については、控えめに医局制度の破綻のみを論じている態度が、いい加減なことを声高に訴えるマスコミの態度に比べ好感が持てる。著者のブログはこちら→「猪飼周平の細々と間違いを直すブログ

Saturday, June 5, 2010

Google Chart ToolsでTeX

周回遅れのネタの気もしますが、Google Chart Toolsでchart typeのオプションをtxとすると、TeXの記法で数式を出力できるようです。
http://chart.apis.google.com/chart?cht=tx&chl=\LaTeX{}=\frac{-b \pm \sqr {b^2-4ac}}{2a}&chof=png
注意点としては、"+"がurl内で特別な意味をもってしまうため、"%2B"で表記しなければならないことがあります。TeX自体の記法については、バイブルの右掲本を文字通り座右に置くのもいいし、ネット上にも「LaTeXしよう!」などのリファレンスを参考にして頂いても良いと思います。

Thursday, June 3, 2010

OSとブラウザのシェアをGoogle Chart Toolsで描く

WinとMacが減少しLinuxが増加、5月OSシェア」と「Firefoxのシェア下落に転じる、5月ブラウザシェア」の記事を読んで、Google Chart APIを使ってグラフを作ってみることを思い立ちました。今まではグラフを作る時はRを利用することが多かったのですが、そんな頻繁なことでもないので、覚えられなくて、その度に右のような本を参考にしなければなりませんでしたし、そういった作業は仕事の空き時間にやることが多いので、オンラインツールの方が使い勝手がいいのです。参考にしたのは、日本語の「Google Chart API入門」とまだ日本語化されていないGoogle謹製の「Google Chart Tools」のページ。



http://chart.apis.google.com/chart?cht=p&chd=t:91.28,5.27,1.13,2.32&chs=350x180&chl=Windows|Mac|Linux|その他&chtt=2010年5月OSシェア&chof=png

http://chart.apis.google.com/chart?cht=p3&chd=t:59.69,24.35,7.05,4.77,2.43,1.71&chs=350x180&chdl=IE|Firefox|Chrome|Safari|Opera|その他&chtt=2010年5月ブラウザシェア&chof=png
作ってみて知ったことをメモしておきます。
  • 必須のオプションは、cht、chs、chd。それぞれchart type、chart size、chart dataの略。
  • 円グラフの場合、cht=pとする。pieの略。3Dにしたい場合、cht=p3とする。
  • chsは、<幅(単位はピクセル)>x<高さ(単位はピクセル)>で指定。制限があって、幅×高さの合計が300,000ピクセル以内、幅及び高さの最大ピクセルが1,000ピクセル以内。
  • chdでデータを指定するとき、テキストデータっておまじないが必要。chd=t:1,2,3...って感じ。
  • ラベルは、chlで、凡例(legend)は、chldで指定。
  • タイトルはchttで指定。chart titleの略。
  • 出力形式は、chofで指定。 chart output formatの略。
でも、結局、大量のデータを処理するときには、Rが必要なので、TPOに合わせて使い分けることになり、何か座右の参考書一冊は必要になります。

Wednesday, June 2, 2010

岩上安身氏のつぶやきまとめ

権力と対峙するというレトリックを誰しもが使う。けれどもその中身は一致していない。権力関係を整理すると、第1権力(政治、国会議員による内閣)、第2権力(行政府、官僚)、第3権力(司法)、第4権力(マスコミ。記者クラブメディア)、第5権力(特権を持たない大衆)とすると、第5は第1しかコントロールできないので、本来なら第1を支持して第2を監視すべき。ところが第2は巧妙に背後に隠れつつ、第3(検察)、第4(記者クラブメディア)まで総動員して、自らの意思を押し通しながら、巧みにすべての責任を第1に押しつけつつ、その力関係と演出によって、第5の、第1に対する期待を粉々にすりつぶし続けた、といったところ。本来なら、第3(司法)は中立でなくてはならないし、第4(メディア)は、第5(大衆、国民)の立場に立って、何よりも第2を監視・批判し続けなくてならないが、どちらもその機能を果たしていない。それどころか、己の本分を忘れ、ひたすら第1を叩き、第2に奉仕し続き。圧倒的な第2権力とその追随者の前に、第1権力は風前のともしび。国家権力とは、本質的に第2権力、すなわち官僚機構のこと(軍部官僚も含めて)。議員とはその批判者、監視者として我々一般有権者が送りこむ代表者であるべき。民主党政権はそうした批判者として立ち現われたものの、敗色濃厚。この国家の本当の権力のありかをめぐる戦いが続いてきたが、政権選択をした去年の夏の時点での一般国民(第5)の願いや期待とは裏腹に、第2・3・4連合による第1の駆逐は進みつつある。同時に、第1の一部「飼育」と、第5の大半の怒りを第1にのみさし向ける巧妙だが強引な誘導も。こうした権力の野合が成り立つのは、その基盤に岩盤のような共通プラットフォームがなくてはならない。どこから掘っていっても、たどりつくのは戦勝国アメリカの間接支配の現実。それこそが民選政府の政策を、この国の官僚やメディアや司法が躍起になってつぶしにかかる、秘められたる理由。

現内閣の批判をすべきではない、などと言ってないない。だが、現内閣への失望を異様なまでに増幅しているのはどこの誰なのか。普天間の辺野古への移設を決定した日の翌日の朝刊。ある大手新聞は「この責任はすべて鳩山首相にある」と断じていた。官僚には?メディアには?責任はないと?米国の意を受けて、辺野古に持っていくために全力を挙げていたのは、間違いなく防衛省、外務省の官僚。そして大々的なキャンペーンを張ったメディア。結果は彼らのほぼ望んだ通りの結果に。なのにその瞬間に生まれる大衆の不満や失望の矛先を、破れた鳩山内閣の責任に転嫁。ものすごいロジック。鳩山政権を批判した新聞のレトリックは「沖縄をその気にさせた」というもの。では、鳩山の誘惑に沖縄県民がふらふらとのぼせて調子に乗って身の丈以上の要求をしたとでも? 国土の1%にも満たない土地に75%の米軍基地が集中している現実は幻とでも? 沖縄県民に対する恐るべき侮辱。「洗脳」と言う言葉は、安易に使うべきではないが、こうした常軌を逸した誘導が行われているときには、やはり「洗脳」だと、断じるべきだろう。僕らは新聞報道に頼らざるを得ない部分もまだあるが、選択的に読む必要がある。朝からシャワーを浴びるように朝刊を読む習慣はもはや改めるべき。鳩山政権への失望を、政党政治そのものへの「失望」やニヒリズムにまで拡大しようとするのが、「優秀な官僚制度は、未熟な民主主義に勝る」という論理。たとえば立花隆氏に代表されるような。私が最も恐れるのは、こうした大衆に無力感を植え付ける様な「虐待」的なニヒリズム。そこらじゅうにこうした無力感を植え込むレトリックがあふれていることに注意を払おう。「政治家の質の低さは、その国の国民の程度の低さ」であるとか。子供を支配し続けようとする親は、繰り返し無力感を植え込む。暴力は単なる憂さ晴らしではなく、隷従のための手段である。虐待された子供は、鬱憤のはけ口に、似たような境遇にある兄弟や姉妹をいじめてしまうことが。日本が小中華主義・小帝国主義に陥ったことも忘れるわけにいかないが、ニヒリズムに陥った国民が、自分たちの似姿でもある政治家を叩くことに狂奔し、真の権力のありかに目を向けない事も同様の作用。自民党政権末期、内閣は1年ともたず、繰り返し取り替えられ、今また選挙で選ばれた鳩山内閣が愛想を尽かされつつあるとき、それでも僕はデモクラシーを擁護する。失望はするが、絶望はしない。怒りはあっても、抑制し、範囲を限定する。自虐に陥らない。どれも虐待する「親」の思うつぼだから。政治家は責任をとらなくてはならない。しかし、政治家だけに責任のすべてを負わせようとするのは、大きな、そして愚かな間違いである。第2から第4、行政・司法・報道という権力の可視化による国民の監視が急務。その背景にある米国の権力の可視化もまた。日本の大学には米国研究の講座もない虐待からの脱出のためには、自身が虐待を受けている事実を直視させ、そのみじめな現実を受け入れさせないと。しかしそれほど困難な精神の営みもない。

占領期、「日本人は12歳の子供だ」と言ったマッカーサーを「父」のように思いなした当時の日本人を責められるか?占領期の日本人には、米国の支配を受け入れ、マッカーサーを崇めるしかなかった。マッカーサーが去る時、「もっと日本にいて統治してください」と懇願した日本人が多数いた。敗戦のPTSDを癒す過剰適応。だが、もうそんな呪縛から解放されるべきだ。日本人は自己統治できない子供ではない。もう少し正確に言いなおすと、我々日本国民は、不条理な権力の行使に隷従している怯えた被虐待児童ではない。過ちも犯したが、永遠の処罰に耐えなくてはならないといういわれはない。私は反米主義者ではないが、横暴な支配からの離脱は求める。国内の各権力の制御も、国民の手にゆだねるべき。鳩山政権の「落城」に落ち込んでいる暇はない。この秋に策定される「防衛大綱」は、「日米同盟の深化」と言う名前の「米国への軍事的隷従の深化」が進む可能性が高い。放送法の改正のような言論統制も、その1ピースをなす。自己統治ができる国へ。やるべきことは山のようにあるはず。

Sunday, May 30, 2010

夢物語

1.山菜採りに出掛けて、生えていた腕や脚を刈る夢。

2.日本語を話す中国人が古くからの友人だという釧路の人間に裏切られたと滔々と訴えている夢。

3.頭前半分が禿げ、後ろが落武者のような長髪で白髪…そして自分が「禿げで白髪!」と繰り返し叫んでいる夢。
いづれも心当たりはない…夢は不思議だ。でも、神経細胞が勝手にそう発火しただけで、意味はない。こんなことに意味を求めてしまうと、きっと予言だとか、宗教だとかに繋がるんでしょうね。

Saturday, May 15, 2010

ひろゆき・勝間討論に思う


 本日、立て続けに、JMMのレポータ、冷泉 彰彦氏の"from 911/USAレポート "で「勝間=ひろゆき対談をアメリから見ると」、神戸大学教授岩田健太郎氏のブログで「ひろゆきvs勝間に思う」という記事を目にしたので、思うところを記してみる。お二方の記事のうち、前者では、討論が噛み合わなかったことの原因に日本でのコミュニケーションが相対的な上下関係を織り込むことで成立していることを挙げ、そこから自由になるために匿名文化が必然的に醸成されてきた可能性を指摘している。そう考えると、先の討論で実名を主張する勝間氏が「上から目線で言われているような気がする」と表明した姿が、カナヅチが浮き輪禁止を主張しているようで滑稽に思える。後者の岩田先生は、彼女の前提条件を「出羽の守」の誤謬と看破している。勝間氏の主張は、合衆国のプールでは、浮き輪の使用率が低いので、日本でも浮き輪の使用率を下げなければならないという主張と同値なのでした。

 私が二人の討論を見て一番興味を惹かれたのは、あんなに意見がすれ違った二人とも自分を幸福だと表明した事実です。お二人ともマスメディアを通じて見る限り不幸せではないでしょう。それでも、可能性としては、実際に幸せだと感じていて幸せと表明する場合と実際は不幸せだと感じているのに幸せだと表明する場合がありえるでしょう。我が家で言えば、夫婦二人ですが、世間から見れば十分幸せでしょう。私は幸せですが、人から訊かれれば幸せと言っていいのかどうか分かりません。常々病気の方と接しているせいか、例えて言えば、飢えた人の前でマックを食べて旨いとは言いがたい感覚です。妻はと言えば、私の甲斐性がなく、あんまり幸せだとは感じてはいないようです。でも人に訊かれれば、幸せと答えるのではないのでしょうか、見栄っ張りなところがありますから。つまり、他者の視線、自分の感覚、その表象で「幸せ」は異なるのです。幸せになりたければ、幸せだって思い込むか、自分が思う幸せを実現するしかないわけですね。個人個人の感覚なんかは千差万別だし、その表現のしかたは文化、時代によって異なるし、そんな曖昧な幸福を測って議論することに意味ないというのが、私の立場です。アングロサクソンが考えたGDPに代わる「幸福度指数」とかに踊らされて、税金の無駄遣いをされるのはまっぴらゴメン。経済的余裕のある人が直接余裕のない人を援助できるベーシックインカム制度、教育や医療の機会の平等が実現されれば、私も堂々と幸せですと言えるような気がするのです。

Friday, April 23, 2010

【書評】森鷗外の『知恵袋』

先日出席した学会で森鷗外の曾孫にあたる先生の講演があり、今さら感から遠ざけていた鴎外を手にとった次第。長編小説も辛いので、リハビリのつもりで箴言集を選んだ。緒言によると、「知恵袋」、「心頭語」、「慧語」という三種の箴言集を集めたものなのだが、鴎外のオリジナルではなく、元ネタは、前二集が、ドイツの夭逝の作家アドルフ・フライヘル・フォン・クニッゲ(1752- 1796年)の『交際術』、あと一つはスペインの司祭バルタサル・グラシアン(1601年 - 1658年)の『処世神託』を哲学者ショーペンハウアーがドイツ語に訳したものの重訳だそうだ。後者に、耳からの情報に対する注意の項目がある。欧米語から「情報」という言葉を造った鴎外の頭には、こんなことが去来していたのかと想像できておもしろい。その一文をWikisourceから引いたオリジナルの文と併せて引用してみる。
凡そ一一の聞くところは、介致者情意の滓を帯び来る。
siempre trae algo de mixta, de los afectos por donde pasa
愕然とする。たかだか百二三十年前の日本語より、趣味程度に齧るスペイン語オリジナルの文の方が解り易い。ルネサンスの終わりのセルバンテスとほぼ同時代を生きた司祭のスペイン語は、ほぼ現代スペイン語と同じなのである。翻ってわが国の言葉の変遷の速さときたら、長寿、晩婚化のあおりも受けて、おばあちゃんとの間にコミュニケーションの断絶が起こりそうな勢いである。そんなこともあって、編者の小堀桂一郎氏による口語も収められているので安心して手に取ってみて欲しい。この本が厚いのは、鴎外の原文とその口語訳と詳しい解説の為なので気遅れせずに口語訳の部分だけでも読んでみると幸せになれる。ドイツ留学のおり、東京帝国大学地質学教室の初代教授ナウマン教授に論争を挑み、オペラを嗜み、ドイツ女性をものにし、帰国すれば軍医のエリートで、漱石と並ぶ文壇の重鎮、そんな鴎外が、交際とか処世とか、そんなことに悩んで先人の本を紐解いていたと考えると微笑ましくもあり、南北欧州の処世術のつまった一冊であるのだから。

Wednesday, April 14, 2010

【書評】恋愛指南

タイトルは、「恋愛指南」とあるが、真心の愛ではなく、下心の恋の技法を詠んだ作品。イエスキリストが生まれた年をまたいで著された作品だが、そのことに関してはまったく時代性を感じさせない。作者がローマ三大詩人で「変身物語」を物したオヴィディウスであるから、当然、ギリシア神話の神々が多く登場する。神話辞典などを片手に読むのもいいが、そこは例証の部分なので、芸能人などに置き換えながら読んでいくと楽しめる。
タイトルの"Ars"という単語自体が、キケロの著作に頻出する弁論術"ars dicendi"の真似であり、最初の方に出てくる「されば愛神も私の意に従うのだ。」"Et mihi cedet Amor." I 21は、明らかにウェルギリウス『牧歌』第10歌69の名文句、「愛神は万物を支配する、されば、我々も愛の神に従おう。」"Omnia vincit Amor et nos cedamus Amori."を意識したものだ。恋愛に関して綺麗事を並べる作品や現代でいうビジネス本の類に対する二重の意味でのパロディなのだ。だから瞳孔を開いて読む本ではなく、ちょっとした女性蔑視や作者のアラサー以上の女性が好きとかこんなエッチが好きなんていう告白を含めて、笑い飛ばす本なのである。
表紙は、酒の神ディオニューソスの男性信奉者マイナデスが女性信奉者サテュロスに言い寄っているところを描いた壁画だそうだが、本書にはお酒にまつわる教訓が散見される。
  • 夜と深酒は容姿の判断を狂わせる。Iudicio formae noxque merumque nocent. I 246
  • 君に確かな飲酒の節度というものを教えて進ぜよう。心も足も己れの勤めを果たせるようにしておくことだ。Certa tibi a nobis dabitur mensura bibendi: Officium praestent mensque pedesque suum. I 589
ラテン語は、弁論術や解剖学だけの為の言葉ではないということを再認識させてくれた一冊である。

Sunday, April 11, 2010

温故知新

新型インフル、漢方が予防効果? 帝京大准教授が発表へ」via asahi.com
 昨秋、東京にある病院の職員358人(平均41歳)の協力を得た。半数の人に補中益気湯を4~8週間毎日飲んでもらい、残り半数は飲まなかった。8週間後までに、飲まなかった人で7人が新型インフルと診断された。飲んだ人では1人だけだった。
χ2検定でもp=0.0738、powerも0.574と明らかに不足。そんな報告に、こんなセンセーショナルなタイトルをつけて報道するのは隠された意図を想像してしまう。一時逆風の吹いた漢方薬に対する応援歌なんでしょうか?補中益気湯(ツムラ41番)の効果に対しては、支持するマウスの研究1がある一方、否定的な報告2もあり、現在のところコントラバーシャル。記者さんには、天声人語でよく使われそうな四字熟語を贈りたい。

文献
1) Kiyohara H.Stimulating effect of Japanese herbal (kampo) medicine, hochuekkito on upper respiratory mucosal immune system.Evid Based Complement Alternat Med. 2006 Dec;3(4):459-67. [PDF]
2) 山口 英明.補中益気湯エキスの抗インフルエンザワクチン抗体産生効果に関する検討.第56回日本東洋医学会学術総会[CiNii]

Thursday, April 1, 2010

小児重症感染症のRed FlagsとしてのCRP

1,939もの文献を検討し、最終的に30文献を対象にしたメタ分析の結果、小児における重症感染症のred flagsとして挙げられたのは、下の2CR3Pの6項目。
  • Clinician instinct:陽性LR 23·50, 95 % CI 16·80—32·70、陰性LR 0·38 (0·24–0·60)
  • Cyanosis:陽性LR 2·66~52·20、陰性LR 0.87~0.93
  • Rapid breathing:陽性LR 1·26~9·78、陰性LR 0.37~0.80
  • Petechial rash:陽性LR 6·18~83·70、陰性LR 0.19~0.97
  • Parental concern:陽性LR 14·40, 95% CI 9·30—22·10、陰性LR 0·55 (0·39–0·78)
  • Poor peripheral perfusion:陽性LR 2·39~38·80、陰性LR 0.04~0.92
ということなのだそうだが…いかにも当たり前の結論で、しかもParent concernとかClinical instinctとか、かなり曖昧な因子が入っている。元になる文献のせいだから仕方がないが、何が心配なのかとか、どの所見に対する勘なのかとかをもっと具体的にしないと、高熱の子供はみんな病院送りってことになってしまう。むしろ、あまり重視されていないが、
  • 診察上所見なし:陽性LR 4·42 (2·87–6·80)、陰性LR 0·18 (0·71–0·44)*
の結果ほうが、個人的には、役立つような気がするが、*は、何かの間違いじゃないかな?

【参照文献】

Wednesday, March 24, 2010

【書評】シモネッタのデカメロン

著者の田丸公美子さんの名前は、故米原万里さんの著作で知っていた。確か、イタリア語通訳の第一人者。なるほど、タイトルもボッティチェリの「ビーナスの誕生」のモデルとされるシモネッタ・カッタネオ・ヴェスプッチから拝借したんだろうと勝手に思い込んで、本を手に取り、裏を返すと帯には、笑撃的グラフがあった。著作権に触れぬよう、改変して載せる。


after.sex<-c(3,17,13,11,3,53)
names(after.sex)<-c("その他","煙草を一服する","水やビールを飲む","シャワーを浴びる","そのまま寝る","服を着て家に帰る")
pie(after.sex,labels=names(after.sex),main="イタリア男性100人に訊きました:セックスが終わった直後何をしますか?")
これは、各章のエピグラフとして引かれた小話をグラフ化したものなのだ。エピグラフがこのありさまだから、内容は言うに及ばず。シモネッタは「下ネタ」のもじりなのでした。しかも、通訳として接する人々、一定クラス以上の人々のそんな話だから、おもしろくないわけがない。読みようによって、女性を口説く方法のハウツウ本ともなるし、イタリア人と日本人の比較文化小論ともなる。
 私はと言えば、「男性と女性の異文化コミュニケーションでは正論が通じない」ことを学んだ。下心なく繰り返し読み、医師患者コミュニケーションの有効な方法論構築の一助にしたいと、綺麗事で締めくくってみる。

Saturday, March 20, 2010

臨床医学文献管理、最強の4ステップ

  1. PubMed: "Limits"を駆使して好みのRSSフィードを作成する。
  2. Google Reader: 上記で作成したフィードをリーダーに登録。フィードリーダならば何でも構わないが、Google Readerなら、NEJM、Lancet、BMJ、JAMA、Annals of Internal Medicineなどの主要紙が配信するポッドキャストを"Listen Subscriptions"というフォルダを作って登録しておけば、"Google Listen"というAndroidアプリと同期できるのが嬉しい。さらに、"Twitter Lists 2 RSS"のサービスを使えば、必読つぶやきをフォローできる。
  3. CiteULike: オンライン文献共有サービスの老舗。Springer社の出資で運営されており、無料で使用できる。いずれのブラウザでも文献登録のボタンをインストールできるので、閲覧中の文献からボタン一発で文献の登録が可能。RSSフィードもあるのでリーダーでの登録確認も出来る。他のサービスと比較して、下記のデスクトップの文献管理ソフト"Mendeley"と同期できるのが、吉。
  4. Mendeley: Windows、MacOS、Linuxのいずれにも対応していることが、ubuntuユーザの私には嬉しい。
Google Readerの整理整頓が情報管理のキモだな。

Sunday, March 14, 2010

【書評】村上式シンプル英語勉強法



ろくに英語を話せない私が、実績のある著者の批評をするなんておこがましいので、私なりの妥協案を提示してみたい。

大前提.1日3時間×3年間=3000時間超の英語学習
→1日3回30分ずつ×2年間=1000時間超の英語学習

課題1.300万語の英語を読む。意味が分からずとも読む。
→一日一本の関心領域の英語論文を読む。(1日30分)

課題2.毎日一万語の英単語を眺める。暗記できずとも見る。
→毎日10000語レベル単語集を眺める。(1日30分)

課題3.1000時間英語を聞く。意味が分からずとも聞く。
→関心領域のポッドキャストを聞く。意味が分からずとも聞く。(1日30分)Google ReaderとAndoridの連携が便利、ジョギングしながら聴けば一石二鳥。

課題4.英作文は目指さない。「英借文」のネタをストックする。
→課題.1で読んだ論文のコーパスを作成する。

課題5.自分を語る文章を100パターン用意し、丸暗記する。
→20答法の答えを用意し、定期的に見直す。
∵自分を語るのが英語学習の目的ではない。とすれば、20:80の法則に則り、定期的に20答法をすることで、自分の英語表現力、自己心理状態をモニターするという目的で月一回くらい20答法の答えのテキストファイルを見直す程度でよかろう。

ここまで妥協しても肝心なのは、始めることと続けることにかかっているのは言うまでもない。

Wednesday, March 10, 2010

【書評】Statistical Rules of Thumb

前回紹介した「リスク・リテラシーが身につく統計的思考法―初歩からベイズ推定まで (ハヤカワ文庫 NF 363 〈数理を愉しむ〉シリーズ) (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)」で、「親指の法則」の語源が紹介されていました。アメリカの古い法律では、妻を打つのに親指より細い棒でなら構わないとされていたそうです。その「親指の法則」をタイトルにもつこの本には、もちろん、妻を打つ方法ではなく、膝を打つ統計学のコツが満載なのです。分野も、統計の基本的事項に続き、サンプルサイズから実践的な統計コンサルティングに至るまでを網羅している。構成も、導入、標語、実例、原理、応用と一定の形式で記述されており、つまみ読みや通読後の参照に、親切である。

 前掲図書「リスク・リテラシー云々」では、リスクの表現の落とし穴として、単一事象確率、条件付き確率、相対リスクについて、その回避方法が説明されていたが、本書では、
5・3 リスクの標本空間を知れ。「第5章 環境研究」
6・10 有病率がものを言う。「第6章 疫学」
7・3 まず絶対リスク、それから相対リスク。「第7章 根拠に基づく医学」
と、実に簡潔明瞭にまとめられている。
 
 もう少し立ち読みしたい方のために、「第2章 サンプルサイズ」[PDF]が無料で公開されている。その中には、効果量から簡単にサンプルサイズを求める「Lehrの公式」[1]やある事象がゼロの時の信頼区間の上限を求める「3の法則」[2]の説明もあり、日本の統計学の教科書では触れられることの少ない事項が盛り込まれている。

 網羅性、参照性、簡潔性、斬新性を照らすと、星5つとしたいのだが、なにせ英語であることがネックになる。海外であまり売れないうちに和訳されることが望まれる一冊である。

[1] Lehr R. Sixteen S-squared over D-squared: a relation for crude sample size estimates. Stat Med. 1992 Jun 15;11(8):1099-102.
[2] Hanley JA, Lippman-Hand A. If nothing goes wrong, is everything all right? Interpreting zero numerators. JAMA. 1983 Apr 1;249(13):1743-5.

Wednesday, February 24, 2010

【書評】リスク・リテラシーが身につく統計的思考法

 表紙には、有名な「モンティ・ホール問題」があしらわれている。
「あるゲームに参加してるとしよう。3つの扉から1つを選ぶのだ。1つの扉の裏には景品の自動車があり、残りの2つには山羊がいる。1番を選んだとする。そうすると、景品が何番にあるかを知っている進行役は、3番を開き、そこには山羊がいる。そして、司会者はあなたに問う。1番がファイナルアンサー?」
 間違えても、地団太踏んで済まされる。しかし、次のような問題ならどうだろう?
ある地域で40~50歳の自覚症状のない女性が乳癌に罹っている確率は0.8%。乳房X線検査による検診を受けたとしよう。乳癌があれば陽性になる確率(感度)は90%、乳癌がない場合に検査が陰性になる確率(特異度)は93%である。陽性の検診結果が届いた。あなたが実際に乳癌である確率は?
 本書では、このような医学的な問題やDNA鑑定、指紋分析などの法的分野の事例が俎上に上げられている。そして、実際に米国やドイツの医師や法律家でさえ、検査後の確率の計算ができない実態を暴いている。文庫化される前のタイトルが「数字に弱いあなたの驚くほど危険な生活―病院や裁判で統計にだまされないために」だった所以である。しかし、若い医者の名誉のために付け加えれば、近年はわが国を含めた先進諸国では、医学教育で臨床疫学が導入されており、オッズにベイズ因子を掛けると事後確率の更新が簡単にできるという知識[1]をもって卒業する。
 しかし、インフォームド・コンセントとなると、ベイズ因子では説明が困難だ。市川は、円グラフを使用して考えることを提唱した[2]が、本書では「自然頻度」を使用することを推奨している。そうすると、古い医者[3]や弁護士でもきちんと事後確率が計算できるようになることを示している。そして、裁判員制度が導入された今日では、市民一人一人がリスクリテラシーの技法を身につける必要がある。"'In this world nothing can be said to be certain, except death and taxes."(この世で確実だと言えるものは、死と税金以外にない。)というベンジャミン・フランクリンの言葉を引いて始まる本書が、カントの"Sapere aude"(知る勇気を持て)と言う言葉で終わっているのも宜なるかな。
 巻末に用語集がまとめられている配慮が嬉しい。欲を言えば、文中のケースと解答を、巻末に抜粋しておいてくれれば、提唱する技法を身につけるために有用であったろう。星が一つ欠けた理由である。
  1. Steven McGee, MD Simplifying Likelihood Ratios J Gen Intern Med. 2002 August; 17(8): 647–650.[PDF]
  2. 考えることの科学―推論の認知心理学への招待 (中公新書)
  3. Gigerenzer G, Edwards A. Simple tools for understanding risks: from innumeracy to insight. BMJ. 2003 Sep 27;327(7417):741-4. [PDF]

Tuesday, February 16, 2010

Frank's signの取扱い方

人名を冠した徴候の一つ、Frank's signを御存知だろうか?耳朶を横切る深い皺があれば、冠動脈疾患を示唆するというSanders T. Frankという呼吸器内科の医師が1973年にNEJMに報告した身体所見である[1]。今では、Wikipediaにも記載があるが、私は病院勤務時代に麻酔科の先生からの耳学問で知った。早速、その感度、特異度を検索し、いまだに「皺の感度は、どっきりパパ」という語呂合わせで、それぞれ48%、88%と覚えている[2]。しかし、残念ながらその知識が役に立ったことはないし、信じてもいない。というのも、胸を苦しがる患者さんを前に感度48%では、心筋梗塞を除外し切れないってのもあるし、統計学を学ぶようになって、この徴候を支持する論文が、年齢という基本的な交絡因子さえもコントロールせずに議論していることを知ったからだ。そして、昨年9月、「シカゴ・リーダ」という新聞のセシル・アダムズ氏の名物コラム"The Straight Dope"で揶揄される記事が書かれるに到る。奇しくも、このコラムの連載開始が、1973年なのでした。

1. Frank ST (August 1973). "Aural sign of coronary-artery disease". N. Engl. J. Med. 289 (6): 327–8.
2. M. Motamed, N. Pelekoudas "The predictive value of diagonal ear-lobe crease sign". Int J Clin Pract, Vol. 52, No. 5. (g 1998), pp. 305-306.

Wednesday, February 10, 2010

本ブログの再生

放置していた本ブログを再生しようと思う。内容としては、プライマリケア(風邪、急病、薬、怪我、心の病)や漢方のこと、ツールとしての英語、ubuntu環境Rによるネットワーク分析、Android端末のことを話題にする予定。