Wednesday, July 28, 2010

【書評】つながり─社会的ネットワークの驚くべき力

2007年にNew England Journal of Medicineに「肥満が伝染する」という論文を発表し、2009年、タイム誌の世界でもっとも影響力のある100人にも選出されたNicholas A. Christakisの著作の翻訳。先の論文の肥満ウイルスの正体が、表紙にもなっているソシオグラムだ。疫学的データを元に、人を点でその繋がりを線で可視化したものがソシオグラムである。本書の177−184ページの口絵のソシオグラムに本書のエッセンスが詰まっている。
本文では、ソシオグラムで描き出されたネットワークを通じて伝染するのは、肥満だけではなく、復讐だったり、STDだったり、幸福だったり、政治信念だったり、禁煙だったりするってことを、うんざりするほどに手を変え品を変えて繰り返される。しかし、根本は日本の諺、「類は友を呼ぶ」とか、ドン・キホーテに出てくる諺、"Dime con quien andas, y te dire quien eres."(誰とつるんでるか言ってみろ、どんな人間か当ててやる。)とか、フリーのOSの名称ubuntuの由来となったズールー語の箴言"umuntu ngumuntu ngabantu"(人は他人を通じて人である) とか、スペインの哲学者オルテガ・イ・ガセーの言葉、"Yo soy yo y mi circunstancia."(私とは、私とその環境である。)とか、Ella Wheeler Wilcoxの詩の一節、"Laugh and the world laughs with you"とか、経験的に古今東西で言い伝えられた集合知の焼き直しである。
ネットワーク分析に関するネタの収集ための読み物として有用だが、新しい知見を得るには物足りないと言わざるを得ない。

Friday, July 23, 2010

世界の見方が変わるかもしれない一曲

"We are the world 25 for Haiti" 故マイケルジャクソンの遺志を継いでリメークされた一曲。



英語版と独立してグロリアエステファン夫妻の呼びかけで企画されたスペイン語版。



聞き比べて感じることは、十人十色と思うが、個人的にはスペイン語文化圏の成熟さを聴いた。後半は、大胆にレゲトンが取り入れられていることもあるが、何よりパフォーマーの笑顔が素敵だ。プロとして歌うことを楽しんでいるように見える。アメリカ国内ではヒスパニックとして、国外でも裏庭の国としてCIAやIMFに蹂躙され、生き抜いてきた人たちの音楽である。ちなみに、911と言えば、スペイン語文化圏では、1973年のチリクーデターを指すのでした。